清浄寺は埼玉県吉川市にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

3月20日の春分の日、春季彼岸法要をお勤めしました。

普段はお彼岸の頃に開花する桜が、今年は一週間ほど早く開花し、この日にはほぼ満開といったようすでした。

風はありますが暖かく、朝からたくさんの方がお参りにされていました。

「彼岸」とは仏教の言葉で、我々が住んでいる世界を此岸（しがん）、そして川を挟んで向こう側の悟りの境地の世界を彼岸（ひがん）と表します。この世で悩み苦しむ私たちが彼岸に渡るには煩悩を滅して、悟りの境地を得なければならず、そのためには過酷な修行を日々続けなければなりません。

修行のひとつに「禅定」という方法があります。禅定とは常にやすらかな心であり続ける状態を指しますが、私自身を振り返ると、しょうもないことでイライラしたり、焦ったり。コロコロと気分が変わり、心は喜怒哀楽を駆け巡っています。とても修行を成し遂げられるような身ではありません。

しかし、そんな者もそのままで救う仏様、阿弥陀様がいらっしゃると親鸞聖人は説かれました。親鸞聖人は阿弥陀仏の救いの働きを「願船」と例えられました。石はそのままでは海に沈んでしまいますが、船に乗せてもらえれば、ありのままで彼岸に渡ることができるのです。

知らない間にその救いにすでに私は出遇い、こうして南無阿弥陀仏と口にしている。改めてその不思議と感謝を味わうお彼岸となりました。

4月の定例法話会は都合によりお休みします。

行事の予定は引き続き年間行事で更新しますのでご確認ください。